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　りんごちゃんへ
　
　りんごちゃん、今日はりんごが生まれてから初めてのクリスマスイヴです。
　
　パパは出張、ママは産後の里帰り中。だから、今年のクリスマスは、パパとママは別々に過ごすことになるし、何かプレゼントを…と思っていたものの、ママには準備するだけのパワーが無くて、この手紙が愛しいあなたへの最初のラブレターとして、ささやかなプレゼントになればと祈るのみです。

　ママのお母さんもね、事あるごとによく手紙を書いてくれました。
　ママのお母さんは、いつもは毒舌で口の悪いところがあるけれど、手紙のなかの言葉は、いつもそれはそれは優しい言葉ばかりが並んでいたんだよ。

　そうして、ママからもらった愛ある手紙によって、ママは少しずつ大きくなったんです。今思えば、ママのお母さんは日ごろは「叱咤激励」を、手紙のなかでは「愛されているという自信」を、ママに少しずつプレゼントしてくれていたのだなあ、と思います。

　りんごちゃん、いま、あなたは何を感じていますか？　

　昨年の今日は、まだお腹のなかにもいなかったあなたが、今わたしの隣りですやすや眠っていることに、ママはとても神秘を感じます。

　パパもママも望んだらすぐあなたを授かったから、ちょっと戸惑いました。ママは、20代を自由に生き過ぎたから、そんな私が母親になんかなれるんだろうかって、ちょっとコワかった。
　だけど、産婦人科で超音波写真をブラウン管越しに見たときにね、顔もなにもわからないのに二頭身のあなたがとっても可愛くてねー、いっぱい涙しちゃった。

　りんごちゃん、人生って面白いね。
　人生は、何がどう自分を変えていくのか分からない摩訶不思議な迷路だよ。
　だけど、楽しむ価値のある迷路だよ。
　どうか素直に、あなたがつかみたいものをつかんでいってね。
　ママは、あなたがつかみたいと思う幸せを喜んで応援したいと思います。

　ただ、忘れないでね、森羅万象のすべてが愛でできていることを。
　パパやママがりんごと出逢えたことも、色んな種類の愛のおかげ。
　あなたは色んな人の手によって生まれたの。
　ぜひ、そのことを忘れないでください。
　
　りんごちゃん、お互いお産は大変だったね。
　産道をくぐり抜けるの、大変だったよね。
　でも、ママはりんごに逢えて、本当に本当によかった。
　いつか、りんごにも「ママに逢えてよかった」って言ってもらえるといいなと思います。

　生まれてきてくれて、本当に本当にありがとう。
　どうか人生のなかでいっぱい愛を感じてね。
　メリークリスマス♪
　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ママより