ウソみたいなホントの話

 スゴく限られたヒトにしか言ったことないんだけど、実は私は母親を魔女だと思っていた。
 理由は、簡単。母親が私のどんなウソも見抜いてしまうからだ。こんなこと書くの、超恥ずかしいけれど「私は魔女の子なんだー。みんなと違うんだー(私の未熟な脳内では、ウソを見抜く人=魔女 だったようです)」と悩んだ時期がある(笑)。
 で、実は私も人間だった…って気づいたのは、小学校4年生のころ。安心したけど、なんだかショックな複雑な気持ちになったのを憶えている。まあ、単純にへんな子どもだったのですよ、私は。
 ずっと言わないでいたのだけど、なんだか言う気になって、こんな話を最近母親にしてみた。すると、
 「母親は、産まれたときから何万回と名前を呼んで、どんな時にどんな反応をするのか、ずっと見てるわけよ? 子どものウソが分からないわけないじゃない」と言われた。
 自分が母親になってみれば、確かにそうだなあ、って思う。母親って、子どもの身体と心の状態をいちいち心配し、体験的に子どもに関するデータが蓄積されていく。これで、子どものウソが分からなかったら、やっぱ変だわー、って。
 今になってみて、改めて、母親は魔女じゃなくて人間だったんだなあ…って思う私なのでした。