売りたくなるほど、出る

 妊娠中から、助産師さんにおっぱいだけは褒められ続けたわたし。出産後も1時間後には、りんごにチューチューしゃぶられた私のおっぱい。

 入院中も3時間おきに巡回してくる助産師さんに「いい、おっぱいねぇ」とべた褒めされ、分娩のお世話をしてくれた助産師さんには「産みかたはともかく、おっぱいは最高ねぇ(笑)」と言われた私のおっぱい。

 さすがにそれだけ褒められるだけあるのか、左右ともども溢れんばかりに母乳がしたたり落ちている。

 世の中、母乳が出なくて、足りなくて困っているママさんたちが沢山いるのに、ホント申し訳ないくらいだ。 

 おっぱいが出ないという友だち先輩ママが多かったから「私も出ないかも!?」なーんて、ミルクを調乳するマシーンまで買っておいたのだけど、心配不要だったみたいだ。

 あたしのおっぱい、ほんとすごいぞ!

 パンパンにふくれあがっているせいか「今なら、グラビア出られると思わない?」と母や夫ちゃんに冗談交じりに言っても、だれもそれを否定しない。
 夫ちゃんは「ホルスタインだー!」と言い、母は授乳する私を見て大笑いする。

 これまであまり褒められたことのなかった私のおっぱいが30年過ぎてこんなに脚光を浴びるあんて、だれが予想しただろうか。

 ホント売れるものなら売りたいよ。プレゼントできるなら、してあげたいよ。
 今はおっぱい張って痛くて痛くて、捨ててばっかりだよ(あー、もったいない)。

 でも、おっぱい、左右ともども私には美味しく感じられなかったよ。不二家のミルキーの味がするって聞いたけど、そうも思わなかったし。夫ちゃんは「わーい、練乳の味がするぅー!」って喜んでたけどね(苦笑)。