9ケ月と22日

■さよーならーの日

朝はちょっとのんびり過ごして、朝食をとり、空港へ。飛行機の出発は、ちょっと遅れて、午後1時過ぎの出発となった。さすがに旅行中疲れたのか、最後の朝は自分から起きず、しばらく寝かせておいて、私が起こした。けど、起こしても、目がとろ〜ん…。結局、空港に着くまで、ぼんやりうつろなりんごさんでした。

以下は、出発当日の景色の写真。それから、オマケで、りんごちゃんの写真。ウチにはないクローゼット(ミラー付き)が大好きで、鏡に映る自分の顔や身体の動きを見ては、きゃいきゃい喜び鏡をぱしぱしたたいてた。

【写真】ホテルの部屋から--晴れ渡った最終日

【写真】バルコニーから撮った写真。
    ガラスに光が反射して、ちょとオモシロい写真ができたかな?

【写真】自分を見て大喜び。鏡に向かってパンパンするりんごちゃん

■さかさ食べ

ハワイ旅行中にどうやら逆さ食べにハマった。前から逆さ好きだったけど、サーカスでも入る気なの?って思うほど、ひっきりなしにやらされた。写真は、逆さになりながらハイハインを食べるりんごちゃん。

【写真】さかさ食べ


■飛行機で

飛行機に乗りこんで2時間くらいは眠っていたが、しばらくしたらいきなり元気に。
写真は、バシネットでつかまり立ちをするりんごちゃん。スクリーンでは『四日間の奇跡』が上映され、いいシーンだったりするのだけど、りんごちゃんの頭が影になってうったりすることがあった(苦笑)。そんな訳で、「こりゃこまった!」と行きでは見せなかった『スーパーワンのうた』をDVDプレーヤーで見せた(迷惑になるので音は出さなかったのだけど、急に大人しくなる)。その後は座席後ろのおばさんに「いないいないばぁ」をしていっぱい遊んでもらっていたね。

【写真】バシネットでつかまり立ち


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■総括--あくまでウチ(私)の場合ですが…

☆子連れ旅行は意外に楽だ

行った場所、出逢った人が良かったせいかもしれないけど、思っていたほど大変ではなかった。むしろ頭で考え過ぎていたせいか、必要以上に考え過ぎていたような気がする。出ないお化けをコワがり過ぎていた。

ネットで調べてみると、グアム、サイパン、ハワイは子連れの旅行の代表のように書いてある。ま、この中でもハワイが一番遠いので、ママ友に「長時間の飛行機、だいじょうぶ?」とほとんどの人に心配されていたけど、それほどでもなかった。正直、ヨーロッパでも行けたんじゃないか?って感じ。

ベビはどこにいってもアイドルになる。旅行中目を細めて微笑んでくれ、りんごちゃんをあやしてくれようとする人はどこにでもいた。空港でも、飛行機内でも、ホテルのカフェでも、プールでも、街角でも。相手がどこの国の人であろうが、ベビは存在自体で国境を超えてしまうので、親である私は「鬼に金棒!」な気分だった。ハワイは日本人観光客が多し、一緒になった参加者のなかに、自分の孫と重ね合わせながら、あやしてくれたおばさんも数多くいた。

サービス的にも、申し分なかった。空港でのチェックインも大してならばず通してもらえるし、飛行機には先に乗せてもらえるし…。行きの飛行機では、スチュワーデスに「このバシネットを担当します○○です」と言われたのにくわえ、りんごちゃんが目覚めてちょうどよいかなーと思うところで、おしぼりと食事が登場したのにはホントビックリだった。ホテルでも頼んでもいないのにベビーベッドをもってきてくれたし、実はフラのショーはベビ連れだということで一番ショーがよく見える特等席だった。

ワタシ的には現地に着いてからの言葉のほうが、実は隠れたポイントじゃないかなーと思ったりした。とりあえずTOEICで700点以上は獲得している私だけれど、なんというかな、自分だけを世話していればいい単身のときと違って、年がら年中肉体労働(育児)しているだと、以前は簡単にポンと口から出たはずの英語が出なくなったりるするわけで…(汗)。どうやら、育児中は(可愛いけれども)言葉の通じないベビという生き物に対する育児だけで精一杯になってしまうようだ。その意味で、とっさのときに第二言語が出にくくなるので、主にこの意味で子連れ旅行の行き先として日本人の多いハワイが人気なのだろうと思った。

噂には聞いていたけれど、だってハワイって、どこにでも日本人、もしくは日本語を話せる人がいるんだもーん。行きの飛行機はそれは日本人ばかりかと思っていたけど、空港に降りても、ホテルの受付でも、ショッピングに行っても日本語通じるのにはホントびっくりしたワ。一番ビックリしたのは、ホテルの部屋にあるサービスについてのパンフが全部日本語になっていたこと、それからオプショナルツアーの参加者が全員日本人だったこと…だけどね。日本人&日系人の比率がこんなに高いとは!…ビックリ。

さて、話はもどり、子連れ旅行のそのほかのポイントは、やっぱり食事と睡眠だと思う。ウチの場合は、もともとりんごちゃんが超おっぱい大好きっ子なせいで、「一週間くらい食べなくてもいいや。おっぱい飲ませとけー」と思えたことが余計に私の気を軽くしたし、実際、旅行中は本人も好物以外は食べたがらず、ほぼ1回食(夜)で、あとはほとんどハイハインを与えていた。またハワイに着いてからは、ほとんど昼寝をせず、りんごちゃんが見るもの聞くものを存分に楽しんでくれたせいで、夜はよく寝てくれたのも、私の負担が軽くなった一因だと思う。

けど、睡眠には一番悩んだ。ホテルのベッドは日本で寝ていたベッドよりも高さが高いし、ベビーベッドも無料でかしてもらったけど、寝返り&ハイハイがお手のモノになってしまっていて、かつベビーベッドで一人寝することに慣れていないりんごちゃんとシングルベッドで添い寝しつつ寝るのは、ちょっと骨が折れて…、この際ふたりで床で寝てしまおうかと思ったことも何度もあった(結局やらずに済んだけど)。

出逢ったおばさんに「いま何ケ月?」と聞かれ、「9ケ月です」と応えることもしばしば。2人のおばさんには「今が旅行するにはいい時期かもしれないねー」と言われた。「歩き出すと、一人で歩いてどこに行くか分からないし、だからといって母子の間で、まだ言葉での意思疎通ができない状態だから大変よー」と。その時期になってみないとその時の苦労はわからないけど。ウチにとっては今回で良かったと思える(ま、別のときに行ったなら行ったで「たぶんこれで良かったー」と思うものなのだろうけど)。

飛行機やオプショナルで参加した家族を見まわしても、りんごちゃんは最低月齢だった(あ、帰りの飛行機に3ケ月くらいの首のすわっていなそうな男の子がいた)。だいたい1人の子連れの家族だと、2歳半過ぎの言葉を喋れる子が多く、2人連れだと、6歳と4歳…とか、そんな感じ。でも、立っち&あんよができてからのほうが、海は楽しめたかもしれないなぁと思った。


☆火星人ヘア、大好評

ベビはどこに行ってもアイドルだけど、特に今回旅行中りんごちゃんが寄ってたかってアイドルになれたのは、髪を4本(または5本)結わいて、火星人ヘアにしていたからだと思う。スチュワーデスにも、おじさんおばさんにも、現地のホテルマンや、エレベーターで一緒に乗り合わせた他国の観光客、プールで隣りになったベンチの美少年にも大ウケだった。

気がつけば「So Cute!」「Sassy Hair!』と言いながら、たくさんの人たちが寄ってきて、どこに行っても「彼女は何ケ月?」「どうやって結わいてるの?」「髪がぴょんぴょんしてて、ヤシの木みたい」「ぜひ写真撮らせてっ!」「一緒に撮らせて」と言われた。英語を話す余裕がないわりには、英語を話したくてしょうがない私にとってはとても好都合で、ちょっと嬉しかった。こみ入ったことを話す余裕はないけど、髪型くらいの簡単なことなら、あまり考えずに話せるので(笑)。

単にあせも対策で結わいてただけで、旅行中ずっと結わいていようなんて思わなかったのだけど、色んな人話しかけてくれるし、それはりんごちゃんにとってもイイコトだと思ったので、結局旅行中ずっと結わいてた。


☆ハワイ旅行で気づいたこと

正直言って、お金が続くならずっと旅行し続けたかった。そのくらい、私にとってはサイコーのバカンスで、行ったことを全然後悔していない。はっきり言って、使った分だけのお金のモトはとったと思える。「もっと早く行けばよかったねー、そうすればもっとはやく細々とした夫婦喧嘩がなっていたかもねー」と夫ちゃんと言い合ったくらいだ。

この旅行中、「私はこんなにもストレスがたまっていたのかっ!」と気づけたことが、私にとっては一番の収穫だったと思う。自分で言うのもなんだけど、がんばり過ぎていたみたいだ。

妊娠中から「将来、子供にお金がかかるから…」と、おたがいの実家以外一切旅行せず、こう見えて結構節約生活をしてきた。特にりんごちゃんが産まれてからの生活費は、私の仕事も減らしたので、かなり必要なものだけ…と絞りに絞ってきた。そのせいか、かなり精神がぎすぎすになっていたみたいだ。もちろん、原因は家計だけではなく、それは初めて母親になったプレシャーみたいなものもある。どんぶり勘定でアバウトなわりにはへンに理想主義だったり、負けず嫌いだったりする私は、母親としても、完璧を目指し過ぎてキリキリ舞いになっていたようだ。けれど、ハワイで海で遊び、ぼーっと波の音を聞き、美しいキラキラした海を見ながら深い呼吸をしているうち、出逢う人と笑いあううち、身体のなかに澱のようにたまったゴミみたいにうずたかく積もった何かが解けていく気がした。

「わたしはわたしでいい。この子はこの子でいい。おたがいに等身大で、それで成長していければそれでいいんだーって。完璧じゃない者どうしだから、一緒に成長できるんだもん」、って。私は私のなかの理想の母親像やテレビや雑誌で見聞きする素敵なお母さん、それから私の母親…と、心のどこかで張り合っいて、背伸びしてばかりで、自分らしさをどこか忘れてた。いびつだっていいんだ、私が私らしく育児すればいいんだ。何か足りなければ、きっとりんごちゃんが教えてくれる。もっともっとこの子を信じてみよう…って。

日本にいるうちは、頭では「等身大育児でいい」とわかっていても、身体が思うように動かなかった。けど、ハワイで働く人や出逢った人をみるうち、この人たちにはこの人たちの地軸があるんだ。だから私も私の地軸で生きればいいんだ…ということが、心にすとーーーんと落ちた。そして、そのことを「身体」で理解できたら、ぽろぽろと涙がでた。

私ががんばり過ぎちゃうのは、やっぱりりんごちゃんに対する期待が大きいからだと思う。ていうか、単純に大好きだから、なのよね(恥)。でも、りんごちゃんはりんごちゃんの地軸でしっかり生きてるんだもんね。これからは、あまり気負わずに私は私の地軸で等身大の育児をしよう、と思った。りんごちゃんにも等身大の私を好きになってもらいたい。

私のお腹から、この子は産まれてきた。つながりは、母と子だ。だけど、子供は私と夫との財産だけでなく、世界の人々の財産でもあるんだよなーっていうことが、ハワイを訪れている世界中の人にりんごちゃんを可愛がってもらっているうち、肌感覚で理解できた。

これからはもっともっと私も遊ぼう。もっともっとリフレッシュする時間をもとう。そして、(まだちょっと迷ってるのだけど)、しばらくしたら本格的に仕事をしてもいいかなーと、いま私は考え始めている。あと、私、もっと英語話したいぞー!


☆リゾート地と「気」

ハワイというところは、めちゃくちゃ気が軽い。「気」というのは、私の気持ちことじゃなくて(笑)、そこをとりまく空気みたいなことをここでは書いてみます。

初めてワイキキの海に入った初日も感じたこの感覚。うまく表現できるかわからないけど、とにかく「軽い」のだ。軽いといっても、「あいつ、軽いなー」という時のちょと軽薄っぽい「軽さ」ではなくて、気持ちや考えが軽くなる、という感じ。濃厚に対して薄味、みたいな。言い換えれば、気持ちがシンプルになる、って感じかなー。

独身時代に世界14カ国を旅して、今回のハワイを1つの国として数えていいなら、15カ所目になるのだけど、ハワイは子連れ旅行で最初に訪れた場所。どうせいずれ行くことになるだろう〜とリゾートというリゾートはこれまでずっと避けてきた私が初めてリゾートという地を踏んだのだが、意外や意外、かなり気に入ってしまった。

1位イギリス 2位インド 3位ハワイ…って感じ。イギリスは数回それも長い間滞在していたせいもあるけど、インドの次ぎにランクインしたとは、自分でも我ながら驚き。それも、たぶん、この「気」の軽さにあるのだろうと思う。

ハワイは、言うなら「天国の楽園」てなイメージ。浄化と癒しの地、という感じ。身体にたまったものをさりげなくさらりと吸い取っていくパワーがある地だなぁと思った。日本で言うと、藤沢〜湘南あたりが、ハワイに近いかな? …全然違うけど(苦笑)。南国ってどこもみんな気が軽いのかな? リゾートは初めて行っただからわからないやぁー。

成田に着いたとたん、すごく「気」が重かった。「なにこれ! 」と思い。夫ちゃんに素直に「なんか、日本て重くない? なんでこの国こんなにシリアスなんだろう…?」って言ったら、夫ちゃんも同じように感じていたようだ。

夫ちゃんは「シリアスだってことは、余裕があるってことなんだよ」と言っていた。余裕があるから、複雑な細かいことをいちいち重く考えるのだと…。でも私はそうは思わない。日本のほうが余裕無く思える。単なる頭でっかちのバランス悪ぅーの国、って感じ。

日本をホームグラウンドとしている以上、日本の気に嫌でも馴染んでいくのだけど…、今は私はハワイでのテンションを大事にしたいと痛切に思っている。なんか、あの、おおらかな気の軽さを忘れては行けない、取り逃がしてはいけない…と。

ハワイを常に思い出したくて、ハナウマ湾の絵を買った。はやく飾ってあの暑いけど軽くて爽やかな、あの気(エネルギー)を家庭内に取り入れようと思う。