1歳と2ケ月1日目

■慣れない、ベッドの柵

ソファベッドもあるのだけれど、いつも添い寝しているりんごちゃんは、私が離れると寝つけず(こういう時だから余計ね)、結局、りんごちゃんが眠っているシングルベッド(ベビーベッドみたいに柵付き)のなかで一緒に寝ることにした。

娘もベビーベッドのなかで寝させたこともないので、こういう体験が初めてな私は、柵に囲まれて寝るのってイヤなものだなぁと思った。すごい圧迫感…。

今、ホリエモンはこれと似たところに入れられて、そのなかで読書しているのかぁ、とそんなことを考えてしまった。んー、この圧迫感と息苦しさのなかで、平然と読書しているなんて、その厚かましさと強さはなかなかのものだなぁ、なんて。

たぶん柵に不慣れなりんごちゃんもそうなのだろう、少し落ち着きを取り戻してからは、それがストレスなのか、けっ飛ばしてばかりいた。もちろん、上げ下げはできるのだけど、もう歩くようになってしまったから、一番上まで上げておくことしかできないのよねぇ…。

夜は2時間ごとに、看護婦さんがりんごちゃんの様子と点滴の様子を見に来るので、ちっとも落ち着かず、あまり眠れない。もちろんおっぱい要求は多いし。けれど、何よりも安心だった。ナースコールが、そこにあるだけで安心。


■奇遇な出会い

朝、部屋のなかにりんごちゃんを置いたまま、トイレに行くと、なんとそこに、りんごちゃんが4ヶ月〜12ヶ月まで通っていた。ベビービクスのセンセイがいた。
「あれ、りんごちゃんママ、どうしたん?」「あれ、センセイ、こんなとこで何してるの??」なんて言い合ったりして。

聞けば、センセイの娘さん(5歳)はインフルエンザ(A型)で幻覚症状が出てしまったらしい。目のまえにママがいるのに「ママがいない」と泣き叫ぶのだそうだ。同じく「パパがいない」「おもちゃがない」と。それで夫婦ともにパニックになって、月曜日に救急車を呼んだのだという。幸い私たちが入院した日には、もう幻覚症状も落ち着いていたのだけどね。

入院生活、センセイ(といっても、同い年くらいなんだけどさ)と一緒だったから、すごく心強かったなぁ。お互い差し入れしあったり、励ましあったりして、知っている人がいるだけで、心に余裕が生まれたわ。


■耳鼻科で検査

耳からウイルスが入った疑いもあるとのことで、午後は耳鼻科で検査。(知っている人は知っていると思いますが、しばらく前に大人の耳かきをまねて、○協の棒ビスケットを耳かきがわりに突っ込んでいたので、「もしや、それが原因…??」と私は不安になってしまった。けれど、結果は異常なし!だった。


■不自由という名のストレス

熱は38度台に下がったものの、依然水便が続いていて、1日8回ものウンチ。着替えの洗濯が、ホントに大変。まだまだ「口からのお薬が効かない状態」とのことで、依然、お薬と水分の点滴が続けられた。

点滴って、ホントにイヤなものなのよねぇ。1年ほど前に促進剤を打ったからホントによくわかるわ。血管が気になるし、手を動かしにくいいし、気になるし。

りんごちゃんはせっかく動き始めた自分の手を固定されて、しかも、動ける範囲はせっかく歩き始めたのに、ベッドのなかだけで、原因不明だから部屋の外には一歩たりとも出せないし。りんごちゃんは、ほんとにすごいストレスがたまっているようで、この日は1日中モノを投げつけてばかりいた。


■りんごちゃんの世界

部屋に入ってくる白い服を着た医者や看護婦さんたちは「私のイヤなことをする敵」としか認識できないようで(仕方ないね)、看護婦さんたちが部屋から出ていくたびに、すがりたくなるのか、おっぱいに救いを求めてくる。

もぅ、1日30回程度(笑)。新生児より回数多いけど、それだけ看護婦さんがひっきりなしに来るからしょうがないよね。

そんなわけで「少しはメンタルをケアしてあげないと」とやっと色んな検査や手続きが落ち着いたので、夕方にはテレビカードを買って教育テレビを見せてあげた。すると、極上の、この世のものとは思えないほどの満面の笑み。

 こーこー が わーたーしーの いーばーしょーだーーー!!!!

てな感じで、普段は食らいつかない、グーチョコランタンまで、夢中になって幸せそうに笑って見てる。私も一緒にやっと笑顔になれた瞬間だったわぁ。

今日で1歳2ヶ月。こんなところで迎えるとは私も思わなかったけど、ちょっと笑顔になれただけでも、ホントに良かったよ(涙)。