■フラッシュバック

昨日は幼稚園をお休みした。先週末からごくたまにお腹が痛いと言っていたものの、家のなかを走り回っていたし、元気だった。月曜日は、すこしウンチがゆるいかな〜と思っていたものの、幼稚園からも元気に帰ってきた。

そして昨日、火曜日。いつもは幼稚園に行きたくて、園バスの来る30分には準備完了!して、まだバスの来る時間じゃないのには「ママ、はやく行こう〜♪」と張り切って靴を履いているりんごちゃんが、「今日は幼稚園をお休みする」と言う。「え!?」と私は面食らってしまった。いつもは行く気満々の彼女が「行かない」と言うなんて!!お弁当も頼んじゃったぞー!(この日は仕出し弁当の日だった)

確かにウンチはゆるい。だけど、咳も鼻水も熱も出てないし、大していつもと変わらない状態じゃないか??

りんごちゃんは楽しいことが目の前にあるとそれに没頭するタイプなので「幼稚園に行ってごらん? それでも本当にお腹が痛かったら、先生に言えばいいよ。ママ、お迎えに行ってあげるから」。そう言って、私は少々のことで休む子にはなって欲しくないことを伝えた。だけど、あまりに休むと言ってきかないので、休ませて様子をみることにした。

すると、1日のなかで何度も"あの事件"のことを語った。それは約2週間前のこと、りんごちゃんがすべり台にのぼっていたら、K君がりんごちゃんの首もとを両手をグーにして、押し付けたというのである。りんごちゃんは「こわかった。苦しかった」と言った。「先生!って叫ばなかったの? やめて!って言えなかったの?」」と聞くと、「言えなかった。こわかった」。

りんごちゃんは肌がもちもちだからか、老若男女問わず、街中でも電車のなかなどでもスキあらば顔から足まですぐ触られるタイプた。なので、私は「NOを言うこと」を事あるごとに教えてきた。女の子だし、自分の身は自分で守ることを教えたかったからだ。そのせいか、親にもNOをはっきり言うけれど(苦笑)、”イヤなものはイヤ!”それでいいと私は思っている。なのに、言えなかったなんて…! 

どうやら他のお友だちには言えているようだ。りんごちゃんの通う幼稚園は年中から年少まですべてのお友達が一緒に遊ぶ。彼女の顔なのか雰囲気なのか、よく「おにーちゃん、おねーちゃんやおともだちに抱っこされるのがイヤだ」と愚痴っている。意志の強い彼女にとって、身動きとれない状態になるのはイヤなのだろう。

その日も、「あかねちゃんに抱っこされたのがイヤだった」と話していた。「やめてって言えた?」と聞くと、「うん、言った。言ったらやめてくれた」と。だから、よっぽど、K君に首をしめられた時は首をしめられていたから声をあげられなかったか、こわかったのだろうと思った。

1度だけさらりと先生にこの事件のことを話しておいた。「ま、子供がやることだから色々あると思いますし、まだまだ発達ざかりの子がすることですから色々あると思いますが、ちょっと注意してみてください」程度に。先生は、この事件の決定的なシーンは先生は気づかなかったようだ。まだまだ先生はママと離れて泣いてる子を抱っこするので忙しい。だけど、お友達のみやびちゃんはその決定的シーンを見ていたという。

まだまだリアルと妄想を話している三歳児。私は現場を見てないし、だから、どこまでりんごちゃんが本当のことを話しているか分からない。だからこそ、先生にはさらりとだけ言ったのだけど…。

でも、脳内にフラッシュバックして1日幼稚園を休みたくなるほど、彼女にとって問題は大きかったようだ。言語化して私にはっきり訴えるまで、起こったことを整理できるようになったのかもしれない。

夜、お布団に入ってから「りんごちゃんが先生に言うことで安心できるなら、ママ一緒にもう一度先生に言ってあげようか?」と言うと「うん」と言う。イヤなことはイヤという彼女だから、この「うん」の意味は大きい。

「ママはいつでもりんごちゃんと一緒だよ。ママはいつでも味方だからね」とハグしてあげたら「ありがとう」と言ってりんごちゃんは涙した。

このことを夫に話すと、父親らしい冷静さで「親が言うのもいいけれど、結局はりんごちゃん自身が乗り越えていかなきゃいけないことだよ」と彼は言う。むむぅー。

さて、いよいよ今日だ。お迎えの時間が迫っている。「先生には連絡帳に帰り際にお時間ください」と書いておいた。さて、どうなるかな。社会人がよくなる五月病程度でりんごちゃんの心が軽くなればいいけれど。