■“おせんべい”を割る音

一緒にお布団に入ると、「ママ、スペシャル・ポキ、聴かせてあげようか?」とりんごちゃんが言った。

スペシャル・ポキ? 何それ?」と言うと、りんごちゃんが左肩をまわし、ポキポキと肩をならした。前から後ろに肩をまわす。 

……ぼきぼきぼきぼき!!!

うおおおお。「すごくこってるねー」と言うと、「”スペシャル・ポキ”は、おせんべいを割るときの音にそっくりでしょ?」とりんごちゃんが笑った。

りんごちゃんが小学生になるまで気が付かなかったのだが、意外にも小学生のランドセルは重い。5キロくらいはあるかもしれない。月曜日などは、こくご、さんすうなどの教科書とノートのほか、宿題、連絡帳など、持ち物が盛りだくさんで、ランドセルはぎゅうぎゅう詰めになり、右手には体操着、左手には上履き…と、やじろべえみたいになっていて、見ていて可哀想になるほどだ。金曜日はまたそれらのものを持ち帰るため、またまた同じような具合になる。りんごちゃんが小柄なので、軽めのランドセルを買ったのだけど、それほど意味を成していない。世の中の小学生諸君、毎日お疲れ様!

ほぼ毎晩、7歳の肩を38歳の私がもんでいる。なんだこれ、反対じゃないかっ!と思うけど、私もよく母に揉んでもらったので、しょうがない。過保護かもしれないけど、これも愛情表現の一つなのだ。

スペシャル・ポキ、なんていいネーミング。もみながら彼女独特の楽しい表現を楽しめるし、それもまあいいかと思ってしまう。