ストイックな7歳

帰宅後、りんごちゃんが口ごもった。
「今日ね〜、やっぱりママには言わないでおこう」
「ね、なによー。ママには何でも言っていいんだよ」

すると、「今日、泣いた」と吐きだすように言った。

「学童行くときに、Aちゃんに私の絵が変だって言われたから」
「あの、にわとりの絵?」
「そう…」
「生まれたばかりのにわとりが魔法の杖を持ってるのはおかしいって。Aちゃんだけじゃなくて、5人くらい」。

りんごちゃんは絵が大好きだ。国語や算数…と違って、自由だから好きなのだと言う。「私は自由が好きなんだよ」との言葉を発しはじめて、はや3年くらい経つ。

勉強やピアノは私が口を出すから自由を感じられないんだろな、将来的に絵が趣味になるのも人生豊かでいいのかもしれないと私は思っていた。それに親バカかもしれないが、私はりんごちゃんの絵が大好きだ。明るい気分になれるし、ちょっとした笑いもあって楽しい。動物の表情がとてもいい。絵の苦手な私はいつもいつもただ褒めたくなる。だから、お友達に絵を批判されることに慣れていないのだと思う。

でも、この間の保護者会の日、数人のママに「りんごちゃんの絵って、一人だけすごいね。違うね」と言われたのも確か。私の目もそれほど来るっていないのではないか??

「思うように絵が描けないんだよ」と、先日も泣いたりんごちゃん。

私、7歳の時にそんなふうにストイックに泣いたこと、あったっけ?とわが身を振り返る。

「絵だけはあきらめない」というりんごちゃん。
その強い意志はどこからやってくるのだろう。